靖国神社合祀取消訴訟

 旧厚生省が、戦没者名を靖国神社に通知したため、意思に反して同神社に合祀され、追慕の情をきずつけられたなどとして、遺族らが、国に対し合祀のとりやめなどを求めた訴訟の上告審で、最高裁第2小法廷(古田佑紀裁判長)は原告側の上告を棄却する決定をした(11月30日付 大阪訴訟判決)。また、同日付けで、同じく第2小法廷(千葉勝美裁判長)は、韓国人の軍人軍属らの254名が合祀の取り消しを求める訴訟の上告を退ける決定をした(東京訴訟判決)。いずれも、適法な上告理由にあたらず、また、上告受理の申し立ても認められないとするごく短い内容の決定である。 続きを読む

暴力団排除条例と信教の自由

 暴力団排除条例が施行され、宗教界にも暴力団排除の動きが広まっているようだ。
 全日本仏教会が、昭和51年には、集団参拝などの暴力団排除の決議をしていた(第24回全日本仏教徒会議で「威力誇示や資金集めに利用される恐れのある葬儀法要等は拒否しよう」という決議がなされた)が、神社本庁も本年11月9日、全国の神社庁に対して、暴力団の集団参拝について慎重に取り扱うことが必要だとする注意喚起の文書を送った。これを受けて、11月17日、山口組の地元兵庫県神社本庁は、暴力団名での参拝申し入れを拒否することを決めた。個々の寺社でも、比叡山延暦寺が「今後組関係者の参拝は受けられない」という方針を表明しているという。 続きを読む